体験談 航空自衛隊パイロット試験体験記

素人が飛行機を操縦する!?【航空自衛隊一般幹部候補生 三次試験】

2022年5月21日

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就職活動のときに航空自衛隊一般幹部候補生の採用試験を受けて、三次試験で飛行機の操縦試験の話です。

航空自衛隊一般幹部候補生飛行要員航空学生の採用試験を受けると、最終試験の三次試験で飛行機に乗って適性を確認する試験があります。

貴重な体験をさせてもらったことを無駄にしないために、ここに備忘録として記録します。

誓約上、公開可能な写真のみ貼ってあります。機内の写真は公開していません。

航空自衛隊 一般幹部候補生飛行要員 三次試験

出典 航空自衛隊

航空自衛隊の航空学生と幹部候補生飛行要員の試験では、三次試験で実際に航空機を操縦します

そんな試験があるって聞いたとき、「えっ!?」って思ったんですが、ホントのことで受験生は二人乗りのプロペラ機に搭乗して試験を受けます!

戦闘機って普通の旅客機とは全然違う飛び方しますから、そもそもの操縦の適性を試験で見るらしいです。

1週間の自衛隊生活

基地で缶詰生活

一次試験の筆記試験、二次試験の面接を突破したら、三次試験の案内が来ます。

飛行機がある基地は決まってるので、どちらかに行くよう指定されます。

僕は防府北基地でした!

そこで1週間ぐらい泊まり込んで試験を受けることになります。

最寄駅からバスで移動

出典 航空自衛隊

最寄り駅に集合するよう指定されるので、集合時間までに駅に向かいます。

だいたい一週間の生活をするので、生活費と衣服などを持っていき、手引きに書いてあるものを持っていけばだいたい足ります。

同じく大学生や内部試験で合格した現役自衛官が集まっていざ出発。

バス内で横に座った人は現役自衛官で、これからの生活のことを教えてくれました。

基地についたら指定された場所に移動して、5人1部屋での共同生活が始まります。

といっても自衛官じゃなく仕事でもないので、かなり気楽な生活でしたけれども。

しかしさすが滑走路がある基地とだけあって、めちゃくちゃ広かったですね~。

航空祭で基地内に入ったことはあるんですが、そのときは人がめちゃくちゃいるんで意識しなかったものの、やっぱり普段の基地ってすごく広かったです。

自販機のジュースが格安だったのはいい思い出です。

6時に起床ラッパ

自衛隊の宿舎?で寝起きするので、生活リズムも自衛隊員と同じような生活で過ごします。

ということは起床ラッパで起きるんです!

朝6時ぐらいにラッパが鳴ったら起床して外で点呼を取ります。

今考えたら、点呼を取りに来てくれた担当官はそれよりも早く起きているので、大変だったんだな〜と思います。

眠そうにしている受験生の向かいでは、航空学生が凛々しい態度で点呼をしていましたが、そこは学生と社会人の違いではありました。

飯がうまい

朝起きたらとりあえず飯です。

自衛隊の食堂で食べるんですが、防府基地のご飯は本当に美味しかったです!

ベルトコンベアみたいに流れ作業でご飯をとってもいくんですが、栄養をしっかり考えられた食事だった気がします。

特にテーブルの上に置いてあった、ゴマにんにくのフリカケが至高の旨さでした。

なんどかアマゾンで探しましたが、同じのはなかったですね~。どこで売ってるんだろう。

自衛隊だと飯は困らんという話はホントみたいです。

フライトスーツを着る

出典 航空自衛隊

試験日程が始まると教場っていう部屋で説明を受けます。

試験内容や各種レバーの説明と使い方、実機を見ての操縦方法を教えてもらいました。

万一のときの緊急脱出のしかたとパラシュート救命いかだの使い方を教えてもらったときは、「ついに来たか・・・っ」と思いました。

フライトスーツの貸与もありました!

クタクタで太ももにある資料を挟むピンは折れてなくなってましたが、フライトスーツを着ると気分が高まりましたね。

その後フライトスーツを着て撮った集合写真は一生の思い出です。

見せられないのが残念ですが・・・。

いろんなパイロットのビデオを見た

出典 航空自衛隊

視界が悪い日は飛べません。

ド素人は快晴の日でないと飛び方がわからないんで、天気が悪いと飛べないです。

その間は教場でたまにパイロットのビデオを見せてくれました。

覚えているのは「密着118日!戦闘機パイロットへの道 ウイングマークにかける男たちの闘い」っていうビデオで、T-4の操縦過程にフォーカスしたビデオです。

これを見ていると、朝の5時にはフライトの準備をしていたりと想像以上に厳しい訓練を積まんといかんようです。

そしてこの中で出ていた名久井三尉は、今はブルーインパルスの編隊長をしてらっしゃいます。

お会いしたことはありませんが、ちょっと親近感が湧いてます。

飛べない日は受験生と雑談大会

ビデオを見せてるれるとはいえ、飛べない日はひたすら教場でお勉強です。

って言っても、操縦席の模型みたいなのがあってシュミレーションをするぐらいしかやることがなくて、ぶっちゃけ試験の手順なんて単純なもので、すぐに覚えられます。

なので同じ受験生の人と雑談したり、航空無線を聞いたり航空学生が操縦して飛んでいる飛行機をみて過ごします。

だから飛べない日は、飯食って飛行機をひらすら眺める日々が続きます。

でも天気悪いし。

ただ同年代で自衛隊のパイロットになろうかって人との話を聞いたり話したりするのは楽しかったです。

大学内でエアーガンをぶっ放したっていうヤバいやつもいました(笑)

ただし僕が中堅大学出身だったのに比べて、周りは国公立とかのいい大学の人が多かったですから、話してて「こいつ賢いな~。」って思ったことは一度や二度ではありません。

一回操縦しただけで機器の仕組みを理解してたやつは旧帝大でしたね!

現役自衛官の受験生も個性豊かで、頼んでもないのに聞こえてくる航空無線を教えてくれて自衛隊機にだいぶ詳しくなりましたね~。

風呂は夕方

お風呂は夕方の早い時間に入れてもらえました。

個室にシャワールームはたぶんなくて、あっても使えなくて大浴場に入らせてもらえます

航空学生が入る時間を避けると早く入るしかないんだと思います。 

一番風呂は気持ちよかったですね〜。

お風呂も学生用と幹部・教官用で分かれてた記憶があります。

10年以上前ですが、お風呂は綺麗だった記憶があります。

これも普段掃除してくれている隊員のおかげですね。

航空身体検査を受ける

操縦中に気を失ったらエライことになるので、パイロットの身体検査は一般的な職業よりも厳格となっています。

そのため試験日程中に航空身体検査を受けて、身体に異常が無いかを確認してもらいます。

といっても検査時間自体はそんなに長くなく、普通の健康診断に毛が生えた程度で特に気にすることはなかったです。

でも一人の受験生が引っかかって、飛ぶことなく試験を終了して帰宅していたので厳しい世界であるとは思いました。

ついに飛ぶ日がっ・・・!

出典 航空自衛隊

数日立ってようやく快晴の日がやってきました!

飛んだときの体験談は次回お届けします。

一言いうと、地に足ついてるって素晴らしいです。

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