パナソニックのミラーレス一眼、G100Dが発売されます。
G100のマイナーチェンジ版で、1万円高とちょっと値上げがきついけれど、ファインダーの強化とUSB-Cに対応しました。
ただしメカシャッターは据え置きだから要注意。
例によってカメラ万年初心者が見ていきます。
画像出典:https://panasonic.jp/dc/products/g_series/g100d.html
↑旧型のG100を買ったのでレビューはこちら。
万年初心者が見たLUMIX G100D
スペック
機種名 | DC-G100D |
---|---|
有効画素数/総画素数 | 2177万画素/2030万画素 |
イメージセンサー | M4/3(マイクロフォーサーズ) |
AF性能 | コントラストAF/49点 |
手振れ補正 | 電子式5軸補正・ハイブリッド補正 |
手振れ補正性能 | - |
SDカードスロット数 | 1枚 |
動画撮影 | 最大4K30fps |
記録フォーマット | MP4(H.264) |
ISO感度 | 100-25600 |
メカシャッタースピード | 1/500 |
シャッター耐久性能 | - (5万-10万回程度か?) |
連写(メカシャッター) | 約6コマ/秒(AFS) / 約5コマ/秒(AFC) |
背面モニター | 3.0型/バリアングル |
ファインダー | OLED(有機EL) / 約236万ドット / 視野率0.74倍 |
内臓フラッシュ | 〇 |
防塵・防滴 | - |
給電端子 | USB-C |
サイズ(mm) | 115.6 × 83.1 × 54.2 |
重さ | 約346g(バッテリー、カード込み) |
ここで詳しいスペックを載せても公式サイトの方が詳しいからしょうがないので、万年初心者が考えた「まぁここを見とけば最低限は」ってところを抜粋しています。
センサーが初代G9、ミドル機のG99Dと同じなので画質はマイクロフォーサーズとしてはほぼ最新ですね。
正確にはG9M2が最新なんですが、20万円越えのフラッグシップなんで初心者には高嶺の花ですし。
GFシリーズが亡き今、LUMIXのエントリーはG100Dになるわけで、動画機能が充実しているとはいえエントリーとしては平凡な性能。
G100のマイナーチェンジ版だから仕方ないですが。
動画も静止画もいける特長
マイナーチェンジ前のG100と共通する特長は下記の通り。
- G9/G99Dと同じ2030万画素センサー搭載
- コントラストAFなのに優秀なAF
- 意外と使える4K PHOTO
- マイクの指向性を切り替えできる「OZO Audio」
- 346g(G100D)の小型軽量なボティ
LUMIXの特長がはっきりと出ています。
AFはコントラストAFだけれど、同じ価格帯の一眼レフと比べれば早いです。
そりゃ像面位相差AFを搭載したカメラには負けるだろうけれど、野鳥撮影でもしなければ気にならない程度にはレベルが高いです。
他のLUMIXと同じく、4K PHOTOも搭載しているから運動会とかでも大活躍できます。
4K PHOTOで撮ったら画像サイズはSサイズにはなるんだけれど、A4サイズ程度の写真用紙なら全然許容範囲だから、思いの外つかえる機能。
OZO Audioはマイクの指向性を変える機能。
なんとG100Dにはマイクが3つも搭載されているから、自動調整する「オートモード」、360度の音を拾う「サラウンドモード」、撮影側の音を拾う「フロントモード」、顔・瞳認識AFに連動して収音範囲を自動調整する「トラッキングモード」、カメラ後方の音を拾う「ナレーションモード」が選択可能。
エントリーなのに指向性マイクが付いているのは珍しいですが、記録目的なら無くても何とかなるので重視するポイントではないかな。
カメラの重量は346gと、ファインダーを搭載した現行ミラーレス一眼の中では軽量級。
マイクロフォーサーズだからレンズも軽いし、軽いシステムを組みたいならG100Dはぴったりな重さです。
ただどの特長もG100とG100Dでは同じだから、マイナーチェンジしたからって変わるものではないです。
G100とG100Dの違い
EVFがOLEDに
G100ではファインダーが液晶。
ミラーレスってセンサーが捉えた映像がファインダーに表示される仕様だから、一眼レフカメラと比べるとどうしてもラグが出やすいです。
有機ELはそういうラグ対策が液晶よりも優れているから、多くのカメラではファインダーを有機ELにしてあるんだけれど、G100は動画機能を全面に出していたから安い液晶が使われていました。
けれどもパナソニックの調査によると、G100を使うユーザーの70%が静止画機、つまりスチルカメラとしてG100を使っているらしい。
まぁコンパクトでファインダーが付いていて優秀なレンズも豊富なら、スチルカメラとして買うでしょうね。
とうことで、写真撮影がしやすいようにファインダーにマイナーアップデートが入りました。
有機ELの方が発色もいいし、これでより写真撮影がしやすくなるでしょう。
USB-Cに対応※給電は不可
G100Dは充電端子がUSB-Cに進化。
カメラって結構micro-USBなことが多くて、スマホ充電器との共有化ができにくかったんだけれど、USB-Cに対応したことで充電しやすくなったし、転送速度も速くなっているはず。
これは結構英断だと思っていて、いまだmicro-USBがはびこるエントリーカメラ界に一石を投じる変更点。
ケーブルが同じだと、モバイルバッテリーでカメラを充電するのに手間が減るから、バッテリー容量の少ないG100Dにとっては有難いです。
ただ外部電源を利用しての撮影は不可。
つまり充電は出来るけれど給電は不可ってことで、モバイルバッテリーにつなぎながら長回しの撮影は出来ませんよって話。
ここはちょっと残念で、繰り返しになるけれどG100Dってバッテリー容量が少ないから、動画撮るにしてもバッテリーがネックでした。
給電できるなら解決してたけれど、そこはG100と変わらずって感じですね。
バッテリーを買ってねってことか。
望遠レンズキットも新登場
マイナーチェンジに合わせて、キットレンズ構成も刷新。
といってもWレンズキットが追加されただけだけど、このレンズは望遠レンズとしてそこそこ使えます。
手ぶれ補正搭載でコンパクト、それでいて換算300mmまで扱えます。
動画撮影だって4K30fpsならクロップされる関係で換算420mm、EXテレコンを使えばFHDで換算810mmだから運動会やスポーツの動画撮影でも活躍できちゃう。バッテリーさえ許容できるならビデオカメラの代わりにもなります。
単品でこのレンズを買えば25,000円弱だから、単純に5,000円ぐらい得できます。
弱点:1/500のメカシャッターは据え置き
G100の弱点といえばメカシャッター。LUMIXの低コストコンパクトを優先したシャッターが組み込まれているから、シャッタースピードは1/500が上限です。
しかも耐久性は非公表なんだれけど、エントリーグレードに搭載されてきたシャッターだから、おそらく耐久性は5万回で良くて10万回。
G100Dももれなく受け継いでいて、メカシャッターが弱点なのは変わりなしです。
といっても電子シャッターなら1/16000のシャッタースピードまで対応しているから、カーレースや鉄道写真を撮らないから大丈夫かもしれないけれど、やっぱりそこは頑張って欲しかったところ。
現状ではG99Dがいるから、そっちにステップアップしたらいい話だけれど、もしも縮小してG100DとG9M2だけになったらラインナップが残念なことに。
いくらエントリーグレードとはいえ、コンパクトさはマイクロフォーサーズ随一なんだから、せめてOMDSのように1/4000のシャッターは搭載してほしかったところです。
V-LOGよりもスチル機のほうがお似合い
G100はもともと動画機≒V-Log機として世にでたわけです。
けれどもコンパクトでファインダーがついていることから、スナップショットや旅行用のスチル機としての運用のほうが合っているカメラでした。
実際、我が家のGF9が壊れたときの後継機候補第一位だし、G99DじやわなくてG100を買おうか迷ったぐらいには魅力的なスチルカメラです。
メカシャッターとボディ内手振れ補正非搭載っていうのに引っ掛かって脱落しましたが。
スチルカメラとして魅力的な反面、V-Log機としては手ぶれ補正が弱い。
しかもキットレンズでは画角が狭いしで、V-Log機としてマーケティングするには厳しかったでしょうね。
G100Dになって静止画機としてマーケティングされているし、今後のG100Dの売れ行きには注視したいです。
将来的にG9とG100のみになるのだろうか
現在のLUMIXのGシリーズ(M4/3マウント)のラインナップは下記の通り。
- G9M2 / スチル機
- GH6 / 動画機
- GH5M2 / 動画機
- G99D / スチル機
- G100D / スチル機
- BGH1 / 動画機
半分は動画機だから、スチル機としてはG9M2 / G99D / G100Dとなるわけ。
しかしながらパナソニックのマイクロフォーサーズ機は動画機以外は厳しい情勢で、売れ行きもあまりよくないようです。
そうなると縮小するのが世の常でして、2023年にG9がG9M2に、G100はG100Dにとモデルチェンジされているんですが、G99は2022年にG99Dになったもの変わったのは背面ディスプレイのみ。
しかも部品入手困難にともなうマイナーチェンジと予想されるから、G99はもう4年もモデルチェンジしていない状況に。
正直なところ廃盤になる気がしてならんです。
G99Dはマイクロフォーサーズの携帯性を犠牲にしているものの、ミドル機として非常に使いやすいしキットレンズの高倍率ズームも相まって非常におすすめのカメラです。
生き残ってほしいところなんですが、こればっかりはどうなるか不明。
正直G99Dよりも軽いAPS-C機もあるわけで、若干中途半端な立場にあるのがG99D。
G9とG100の方がコンセプトが明確でわかりやすいです。この二機種構成の方が売りやすいのかな。
※追記 2024/1 G99Dの廃盤が決定しました。
まぁ最後は持論の展開になってしまいましたが、G100Dがマイナーチェンジされて長生きしそうなのはうれしいです。
マイクロフォーサーズ、これからも生き残って欲しいですね。