ふと鉄分不足が気になったんだけれど、手軽に鉄を撮るなら鉄製の調理器具を使うのが良さげ。
そういや鉄玉子ってのが実家で使っていたのを思い出し、鉄玉子でも十分な鉄分が摂れるのか調べました。
結論としては鉄ナベの方が圧倒的に鉄分が摂れることがわかったので、その理由を詳しく解説します。
鉄玉子の効果
鉄分不足には鉄製調理器具。
でももっと手軽に鉄器を試したいということで売っているのがザ・鉄玉子
これをやかんに入れたらお茶を飲むだけで鉄分補給できるやん!っと思ったのはいいものの、溶け出る鉄分が知りたい。
もちろん溶け出る量は公式サイトにありました。
ザ・鉄玉子1個を1リットルの水に入れて沸かすした鉄の溶出量
沸騰時 | 0.042mg |
3分後 | 0.050mg |
10分後 | 0.069mg |
溶け出る数値は分かったけれど
う~ん、どんなもんなのかわからん
というのが正直な感想。だから他の方法ではどうなのか比較します。
鉄鍋から溶け出る鉄の量
鉄玉子よりも鍋全部が鉄の方が鉄分出るでしょ!ってことで、鉄鍋を使ったときの鉄分量を調査開始。
探したところ「調理中に鉄鍋から溶出する鉄量の変化 2003年 今野 暁子, 及川 桂子 日本調理科学会誌 / 36 巻 (2003) 1 号」という論文に答えがあることを発見しました。
中身を拝見すると
鉄鍋から溶出する鉄量
使用する調理器具:岩鋳鋳造所製(直径16cm)
ビーフシチュー4人前 | 4.19mg | 一人前あたり1.04mg |
酢豚4人前 | 1.40mg | 一人前あたり0.35mg |
野菜炒め4人前 | 0.61mg | 一人前あたり0.1mg |
ということが判明。
煮込み料理や食塩・お酢が入った料理の方が溶け出る鉄の量は多いですね。
ちなみに使用された鉄鍋を製造する岩鋳鋳造所は、良質な鉄で有名な南部鉄器の製造メーカー。せっかく鉄鍋を買うなら南部鉄器のがいいかも。
鉄玉子より鉄鍋が効果ある!
厚生労働省による1日に必要な鉄分の量がこちら。
成人男性 | 7.5mg |
月経のある成人女性 | 10.5mg |
月経のない成人女性 | 6.5mg |
これを鉄玉子や鉄鍋で摂れる鉄の量で比べると
鉄分摂取推奨量(成人男性)における溶出量の割合
鉄玉子(水1リットル) | 必要量の0.9% |
鉄鍋(一人前) | 必要量の13%~1% |
という結果に。だから鉄玉子を使ったお茶を10L飲んでも鉄鍋ビーフシチューの1割以下。
全く効果がないワケじゃないけれど、鉄鍋の方が圧倒的に鉄分の量は多いです。
それでも鉄製の調理器具からの摂取だけでは1日の摂取推奨量に届かない。
そういう時は基本に戻って鉄分の多い食品から摂取するのが一番。鉄分の多い食品は
- かつお・マグロ
- レバー
- 納豆
とかがあるから、そもそもバランスのいい食事を食べていれば鉄器を使わなくても無問題。あくまで補助的な立場で使うべきとは思います。
出典 厚生労働省:貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう
使わないよりは使う方がいい
結局のところ、鉄玉子からは期待していたほどの鉄の溶出はありませんでした。
やっぱり卵サイズの鉄でじゃ無理があったか~って感じです。
しかし鉄鍋を使ったら結構な量の鉄分が溶け出るから、鉄分不足解消には期待できそう。ビーフシチューは毎日作らないけれど、みそ汁なら作るかも。味噌には塩分があるから溶け出る鉄の量は多そうだし。
そもそも1日に必要な鉄分量って多い!ってのが驚いたところ。他の栄養素のことも考えないといけないんだからバランスのいい食事を自分で考えるのって結構大変。
その対策として鉄鍋は結構使えそうな調理器具なようです。
重いし錆びるしメンテナンスが大変だけれど、身体のメンテナンスには効果がありそうです。
でも鉄玉子も使わないよりは使った方が絶対いいから、「鉄鍋はちょっと~」って人にはアリな製品です。
※追記
なんだか通常鉄玉子の10倍鉄分が出るっていう謳い文句の鉄玉子がありました。
ただよく見たところ、通常鉄玉子の約3~4倍の鉄が溶出するようです。
錆びやすく手入れが面倒なようで、それでも鉄鍋+ビーフシチューには敵わないみたいですが、普通の鉄玉子よりはいいかもしれません。