PanasonicからLUMIX G9 PROⅡが発表。
マイクロフォーサーズユーザーとしては新型機種が出ることは素直にうれしいです。
果たしてどんなもんなのか。カメラが好きなだけの万年初心者が見た感想をひたすらに書いていきたい。
今回は完全に自己満足記事なんで、本気で購入を考えている方はあまり参考にならんかも。
万年初心者がG9 PRO M2を見る
知りたいところを切り抜いたスペック
カメラのスペックって書き出したら手に負えないほど多い情報量があります。
ぶっちゃけた話、初心者にとっては全部読んでもわからんし万年初心者ならなおさら全部読まん。
っていうことで、個人的にカメラを買うときに見たいスペックだけを切り抜いたのが下記の通り。
機種名 | DC-G9M2 |
---|---|
有効画素数/総画素数 | 2521万画素/2652万画素 |
イメージセンサー | M4/3(マイクロフォーサーズ) |
AF性能 | 像面位相差AF/779点 |
手振れ補正 | 5軸ボディ内・ハイブリッド補正 |
手振れ補正性能 | 8段 |
SDカードスロット数 | 2枚 |
動画撮影 | 最大4K120fps |
記録フォーマット | MP4/MOV/ProRes・H265対応 |
ISO感度 | 100-25600 |
メカシャッタースピード | 1/8000 |
シャッター耐久性能 | 約20万回の作動試験クリア |
連写 | 約14コマ/秒 |
背面モニター | 3.0型/チルトフリーアングル |
ファインダー | 有機EL/約368万ドット |
内臓フラッシュ | - |
防塵・防滴 | 〇 |
給電端子 | USB-C |
サイズ(mm) | 134.3 × 102.3 × 90.1 |
重さ | 約658g(バッテリー、カード込み) |
だいたいメカシャッターの速度を見ればグレードがわかるんだけれど、G9M2は1/8000とハイグレードな性能。
エントリーだと1/4000ぐらいまで、ミドルでも1/6000が多いから、さすがフラッグシップといった感じ。
それじゃあ特長を見ていきたい。
G9 PRO Ⅱの特長
G9 PRO Ⅱの特長はたくさんあるけれど、万年初心者として気になったものは下記の通り。
有効2521万画素のイメージセンサー
G9M2では2521万画素のイメージセンサーを搭載。たぶんGH6と同じと思われます。
M4/3は2000万画素がバランスがいいとか言う話を聞いたことがあるけれど、それ以上の画素数ってことは技術が進歩してデメリットを打ち消したんかなと予想。
ちなみになんで2000万画素がちょうどいいのかは知らない。これが万年初心者な所以です。
とにかくフラッグシップに搭載しているんだから、描写力は上がっているはず。
像面位相差AFによる高速AF
たぶん一番の注目ポイントだと思います。
ながらくPansonicはコントラストAF一本で勝負していて、そのAF精度は確かに高い完成度を誇る。
この前買ったG99DもコントラストAFだけれど、同じコントラストAFのOM-D E-M10MK3と比べても精度と速度が高い気がする。
でも像面位相差AFはレベチと言われていて、この機能を搭載した展示品をいじっていると確かに惚れ惚れします。
それがついにLUMIXにも搭載ということで、望遠に相性がいいマイクロフォーサーズで野鳥やモータースポーツ の撮影でかなりの精度が見込めるんじゃないでしょうか。
まぁOM-Dは以前から像面位相差AF使ってるんですがね。ようやく並んだ感じ。
あとは前任のG9PROは動体認識がすごくよかった。
動くものがあれば正確に認識してくれていたから、G9M2でも継承されているでしょう。
凄く撮りやすくなっていると信じたい。
ライカのフォトスタイル
LUMIXにはフォトスタイルって言う、要はフィルター機能があって色味やコントラストを調節する、至って標準的な機能があります。
G9M2ではこれにLEICAモノクロームが追加されて、ライカっぽい写真が撮れるみたいです。
LEICAモノクロームは
ハイライトが明るく、より硬調でダイナミックな印象のモノクロ表現で、深い黒と白のコントラストが特徴
Pansonic公式サイト
らしく、モノクロ写真が好きなら魅力的な機能かも。
あとはどのカメラにも搭載しているようなものばかりだから、特筆すべきものはなし。
5軸8段のボディ内手ぶれ補正
ボディ内手ぶれ補正が5軸っていうのは今どき珍しいものではないです。
ただ8段っていうのがすごい。各社モデルと比べたのは下記表のとおり。
機種名 | 補正段数 | メーカー | 参考価格 |
---|---|---|---|
G9M2 | 8段 | Pansonic | 230,670円 |
OM-1 | 8段 | OMシステムズ | 225,390円 |
EOS R6 MK2 | 8段 | キャノン | 356,400円 |
α7 Ⅳ | 5.5段 | ソニー | 311,202円 |
Z6 Ⅱ | 5段 | ニコン | 326,700円 |
X-T5 | 7段 | フジフイルム | 222,660円 |
センサーサイズが小さいM4/3の利点を活かして高いボディ内手ぶれ補正を実現。
やっぱり値段のわりにM4/3機は手振れ補正能力に優れています。
ボディ内手ぶれ補正は高ければ高いほど良いですからね。特に動画撮影で。
手持ちで夜景も撮れそうな勢いなんで、手持ち撮影が多いならアリなカメラです。
8方向ジョイスティック
高級機種にのみ許されたジョイスティックを搭載。主にフォーカスポイントを移動させるときに使うみたい。
物理ボタンで入力するから、手袋をしていても操作可能。手袋をしているところタッチパネルは使えないからね。
でも今のところフォーカスポイントはタッチパネルで事足りているから、自分にとっては不要かな。フラッグシップに搭載されているところを見ると、クリエイターにとっては必要な機能と見ました。
ダブルSDカードスロット
写真を撮っていて怖いのが、データが突然消えること。
SDカードだと極稀に消えることがあるけれど、それがここ一番で撮った写真や動画だったら目も当てられない。
保険って意味でダブルカードスロットは流石プロ仕様ってところです。
その分カメラ筐体は大きくなるんで、小型になりにくいのが弱点ですが。
実際にG9M2はM4/3では大きいカメラですし。
防滴・防塵・耐低温
マグネシウム合金ボディとシーリングによって防滴と防塵を実現。ついでに−10℃の耐低温も。
いずれも対応レンズ装着時ですが。
カメラって水に弱い精密機器だから、防滴防塵があるのは保険って意味で安心です。
以前に防滴防塵のペンタックス機を使っていたけれど、どんな悪天候でも使えるいいやつでした。
それがミラーレスでも使えるのは素直に嬉しいです。
特にモータースポーツやスポーツ観戦で使うなら全天候の方がいいから、流石フラッグシップです。
メカシャッター耐久20万回
一般にメカシャッターには寿命があります。 おおよその目安として
- エントリー機 5万回
- ミドル機以上 20万回
ぐらいという話。中には50万回いける高級機もあるとか。
20万回も耐久性があれば、1ヶ月に1000ショットなら16年持つ計算に。
その前にボタン類が駄目になりそうだけれど、それくらいの使い方ならシャッター寿命で困ることはなさそうです。
プロなら1ヶ月1万回ぐらい撮るかもしれないけれど、万年初心者にとっては十分な数値だと思います。
気になったところ
本体の大きさ重さ
マイクロフォーサーズのメリットは小型軽量なところ。本体はもちろんレンズを含めるとかなりコンパクトなシステムが組めます。
しかしながらG9M2のサイズは134.3 × 102.3 × 90.1。重さは658g。
これはフルサイズのS5Ⅱとほぼ同じ数字です。ちょっと軽いかな。
しかしせっかくコンパクトが売りのマイクロフォーサーズなのにフルサイズと同じサイズなのは大きな弱点。
前身のG9PROも同じようなサイズで、まぁフラッグシップだからプロが求める大きさなのかもしれないけれど、軽量コンパクト目当てでM4/3ユーザーになった人にとっては近寄りがたいところ。
まぁレンズ含めるとフルサイズよりだいぶコンパクトにはなりますが。
メーカー指定価格
Pansonicでは一部製品にメーカー指定価格での販売を義務付けています。
報道によるとフラッグシップモデルを中心としていて、主にエアコンや洗濯乾燥機、ドライヤー・美容機器に見られます。
見てみると競争力の高い分野の製品ですね。
LUMIXはシェアも低く競争力が高いとは言えないはずなんだけれど、すでにLUMIXでも実質導入されています。
G9M2の公式サイトにも と記載されていて、メーカー指定価格の対象の模様。
ちなみに値段は
- ボディのみ 230,670円
- レンズキット 303,930円
です。
これ以上の値下げが期待できない以上、しばらくはこの価格で行くはず。発売から時間が経つどどうしても陳腐化するから、古いのに高いっていうデメリットになりかねない。
もっとも5年前に発売されたソニーのα7Ⅲは発売から5年経つのに、発売当初の価格でも売れている。
これは完成度が高いからでしょう。
G9M2も完成度が高ければ現在価格で売れ続けると思うから、完成度の高さには期待したいです。
ちなみにこの前買ったG99Dにもメーカー指定価格の記載があったから、どこで買っても値段はほぼ同じ。
だからポイント還元でショップを選ぶ感じでした。
ライバルが強い
M4/3では圧倒的な性能と存在でフラッグシップにふさわしいです。
しかしながら20万円台という価格を考慮すると強力なライバルが複数存在します。
同価格で買えるカメラは次の通り。
フジフイルム X-T5 | 神レンズが豊富。 M4/3より大きなAPS-Cを搭載 |
OM OM-1 | 同じM4/3マウントでG9M2より少し小型。 AFの測距点数も上でバッテリ持ちもいい。 OMDのフラッグシップ。 |
ソニー α6700 | AFに定評のあるソニーのAPS-C機。 M9M2よりも安価。 |
ニコン Z6Ⅱ | フルサイズセンサーを搭載。 |
キャノン EOS R8 | フルサイズセンサーを搭載。 |
考えつく限りでこれくらい。
どれもAF性能は高くスチル機としてのG9M2に明確なアドバンテージはなし。
動画を考えると勝ち目があるかもだけれど、動画はGH6でいいじゃんって話になるので。
新規にカメラを買う人に対しては他に魅力的なカメラが多すぎて、G9M2を真っ先に薦められないのは残念なところ。
ライバルのOM-1と比較すると
M4/3ユーザーにとってG9M2と比べるとすればOM-1となる。上記のスペック表で比較するとこんな感じ。
機種名 | DC-G9M2 | OM-1 |
---|---|---|
有効画素数/総画素数 | 2521万画素/2652万画素 | 2037万画素/2293万画素 |
イメージセンサー | M4/3(マイクロフォーサーズ) | M4/3(マイクロフォーサーズ) |
AF性能 | 像面位相差AF/779点 | 像面位相差AF/1053点 |
手振れ補正 | 5軸ボディ内・ハイブリッド補正 | 5軸ボディ内・ハイブリッド補正 |
手振れ補正性能 | 8段 | 8段 |
SDカードスロット数 | 2枚 | 2枚 |
動画撮影 | 最大4K120fps | 最大4K60fps |
記録フォーマット | MP4/MOV/ProRes・H265対応 | MOV(H264/H265) |
ISO感度 | 100-25600 | LOW(約80相当) - 102400 |
メカシャッタースピード | 1/8000 | 1/8000 |
シャッター耐久性能 | 約20万回の作動試験クリア | 約40万回の作動試験クリア |
連写 | 約14コマ/秒 | 約10コマ/秒 |
背面モニター | 3.0型有機EL/チルトフリーアングル | 3.0型2軸可動式液晶 |
ファインダー | 有機EL/約368万ドット | 有機EL/約576万ドット |
内臓フラッシュ | - | - |
防塵・防滴 | 〇 | 〇 |
給電端子 | USB-C | USB-C |
サイズ(mm) | 134.3 × 102.3 × 90.1 | 134.8 × 91.6 × 72.7 |
重さ | 約658g(バッテリー、カード込み) | 599g(バッテリー、カード込み) |
G9M2が像面位相差AFを搭載したけれど、OM-1は前身のE-M1から像面位相差AFを搭載しているからスペック上はわずかにOM-1が有利。
それに下位互換のOM-5は像面位相差AFを搭載しているにも関わらずG9M2よりはるかに安価です。
OM-1のほうがファインダー性能も上。なんならシャッター耐久も。
明確に勝っているのはイメージセンサーとフォトスタイルにLEICAの名前があるくらい。
個人的には撮って出しの表現がOMS機は風景向けと言われているのに比べて、LUMIXはナチュラルな表現で人物を撮るにも適しているってところが良いところ。
とはいえ差は僅差なので、M4/3の中では極めて魅力的な性能。
しかしながらAPS-Cやフルサイズとも比べると特別な性能を持っているとはいえないっていう印象。
万年初心者の感想あとがき
フラッグシップだし値段も高いし、万年初心者にとっては高嶺の花で今すぐ買うってわけではないけれど、他マウントと比較してみるとやっぱりM4/3は厳しい状況にあるのを再認識しました。
でもシステム小型っていうのは手軽に持ち出せるし、自分自身が軽量化のためにAPS-CからM4/3に移行したのもあって需要はあるはずと信じてます。
M4/3ユーザーゆえにひいき目で見てしまうのは仕方ないとしても、やはりM4/3には頑張ってほしいところ。
そんな感じで万年初心者からみたG9M2の感想は終わりです。M4/3、これからも続けて欲しいな〜