GoPro HERO12が発売されました。最近のGoProは機能が頭打ちだけれど、型落ち品と比べて買い替える価値があるのか比較検討します。
結論としてはクリエイターでないなら10や9の方がいいって話になるんだけれど、その理由を解説します。
そもそもアクションしないならスマホでいい
要はそもそもGoProって必要?って話。
これは前回記事にしているから、GoProの必要性やスマホをGoProの代わりにできない理由を下記記事でじっくり解説しています。
今となってはほとんどのスマホに画角はともあれ超広角カメラが搭載されているし、誰でも気軽にダイナミックな超広角映像を撮影できる。
アクションカメラのメリットはスマホと比べて壊れにくいところだし、10万以上するスマホをアクションして壊すよりは5〜6万円のGoProで楽しんだ方が精神衛生上いいしリスク回避にもなる。
けれどもアクションしない人にとっては無用の長物になりうるから、自分の趣味との相性をよく考えてください。
まぁ子育ての動画用カメラとしては超優秀なんですが。
GoPro HERO12の進化点
動画でHDR撮影が可能に
GoPro12ではHDR(ハイダイナミックレンジ)を動画で使用可能に。
ダイナミックレンジっていうのはどれくらいの明暗差を映像の中で表現できるかの指標で、この性能が高いほど黒潰れや白飛びがなくなる。
要は画面全体が見やすい映像になるというわけです。
iPhoneとかのハイエンドスマホじゃすでに搭載済みで、逆光でも暗い室内でも見やすい写真が撮れるのはHDRのおかげなのです。
このHDRが HERO12では動画でも使えます。
こんな感じでHDRオンの状態だと室内や屋外で白飛び・黒潰れしにくい映像が撮影可能。
車内から撮影したり、日陰から撮影することが多いならありがたい機能です。
Hyper Smooth6.0でブレ補正がさらに強化
Hyper Smoothが6.0になってさらに強化。
8:7のセンサーを採用したHERO11の5.0で飛躍的に強化された手ぶれ補正機能ですが、より強化しています。
5.0で追加された自動ブースト機能についても、6.0では常に最広角の画角で撮影できるらしい。
普通ブースト機能を使うと画角がクロップされて狭くなるんだけれど、この機能が本当ならさらに強力な手ぶれ補正を実現できるってことだから、激しいアクション下で撮影するならプラスな機能。
ちなみにこの水平ロック機能も引き続き搭載しているけれど、リニア画角って言うのは継続みたい。
5.3k撮影でバッテリー持ち2倍
HERO11では5.3k撮影をするときは30分が限度だったけれど、HERO12では同じバッテリーを使っているのに撮影時間が倍の60分に増加しています。
バッテリーを強化したとかじゃなくて、カメラ動作時の電力消費を見直して最適化したらしい。
単純に必要なバッテリーの数が1/2になるから、購入費と荷物を減らせる。
GoProを使うときってアクションするときだから、できるだけ荷物は減らしたいところ。
GoProを使ってガチな撮影をする人にとってはありがたい機能です。
ただしHERO11は熱暴走で止まる問題があって、HERO10ですら5.3k撮影をすると熱暴走で止まるようです。
そして残念ながらHERO12も熱暴走で止まる模様。
連続撮影できる意味ではないっていうことは肝に銘じておきたい。
その他の進化点
これまで紹介した他での進化点をざっと調べたところ、
- タイムコード同期
- Bluetoothマイク・イヤホンを使用可能
がHERO11からの進化点でした。
タイムコード同期とは、複数のHERO12を同期して別アングルの映像を正確に一致させることが出来る機能です。
言わんとしていることはわかるんだけれど、一般人は中々そんな動画作らないし不要かも。
動画クリエイターならうれしい機能かもしれない。
あとBluetoothでマイクを繋げられるようになったっていうのはいいですね。
GoProのマイクって音質が終わっているのが弱点だったから。防水のことを考えると仕方ないかもだけれど。
GoPro動画で音質を改善するにはモジュラーやマイクを有線で繋げないといけなかったから、これはうれしい機能。
ただ手軽さが売りのGoProに音質を求める人がどれだけいるかは不明。
やっぱり動画クリエイター向けの機能かもしれない。
型落ちHERO10・11との共通点
HERO12が登場したことで、HERO11・10は型落ち品に。
そんな型落ち品と比較したのが下記表のとおり。
機種名 | HERO 12 | HERO 11 | HERO 10 |
---|---|---|---|
ブレ補正 | HyperSmooth6.0 | HyperSmooth5.0 | HyperSmooth4.0 |
ビデオ解像度 | 最大5.3K60fps | 最大5.3k60fps | 最大5.3k60fps |
HDRビデオ | ◯ | - | - |
FOV(画角) | HyperView SuperView 広角 リニア リニア+水平ロック/水平維持 | HyperView SuperView 広角 リニア リニア+水平ロック/水平維持 | SuperView 広角 リニア リニア+水平維持 狭角 |
センサー | 1/1.9インチ | 1/1.9インチ | 1/2.3インチ |
タイムワープ | 最大5.3K | 最大5.3K | 最大4K |
ワイヤレス対応 | ◯ | - | - |
タイムコード同期 | ◯ | - | - |
log撮影 | 〇 | - | - |
サイズ(mm) | 71.8 x 50.8 x 33.6 | 71.8 x 50.8 x 33.6 | 71.8 x 50.8 x 33.6 |
重さ | 154g | 154g | 154g |
上記で説明したところが大きな違いだけれど、それ以外は大きな変更点なし。
12だとGP log撮影が新たに出来るみたいだけれど、これこそ完全にクリエイター向けの機能で編集時の作業が爆増するから、多くの人は使わないであろう機能です。
プロ以外は10で十分
10でも十分なブレ補正
11から8:7の縦長イメージセンサーを搭載してから、ブレ補正が大幅に向上しました。
けれども10の時点でも十分なブレ補正を持っていたし、ぶっちゃけ歩いたり手持ちで走る分には差は感じないと思う。
リュックや身体にマウントすると、手持ちよりもブレブレの動画になるから11.12だと恩恵を感じられるのだろうけれど、それでも歩く程度なら問題ないし。
オフロードバイクでの荒地走行動画を撮影するとか、パルクールを撮影するとかならHERO11以降のブレ補正は欲しいところだけれど、普通にスポーツを楽しんで普通にアクションな動画を撮って普通に見る分には従来のHyperSmoothで十分です。
画質はどんぐりの背比べ
GoProのメリットは超広角でもパリッとした画質なんだけれど、ぶっちゃけこの画角とセンサーサイズで劇的な画質向上は難しい。
超広角レンズって撮影する範囲が広いからトリミングすると画質が一気に下がる。
GoProは電子ズームしかないし、狭い画角で撮影すると見るも無残な画質になるから超広角での撮影以外は非常用って感じ。
画質を求めるならフルサイズセンサーの一眼カメラに高級レンズを搭載しないと無理だから、最新のGoProと型落ちとを比べたところで、それはどんぐりの背比べ。
あたかも最新の12の方が画質が素晴らしくキレイみたいな感をかもし出しているけれど、型落ちの10や9さらには8でも十分キレイだから心配する必要はないです。
一般人は5.3kは撮影しない
5.3kで撮影したら確かにキレイ。
でもファイルサイズがエグいことになって、保存や編集の難易度が上がります。1分の動画が5.3k・4kだと400MB超え。FHDだとその半分くらい。FHDでもファイルサイズが大きいのに、その2倍以上。
普通に見る分ではFHDが画質とファイルサイズのバランスが良く、使い勝手がいい。だから動画クリエイターでもない一般人たる我々はFHDで十分。FHDならHERO7以降の型落ちGoProでも満足できるブレ補正を持っているから、型落ちGoProでも十分です。
一般人は後から切り抜きを使わない
8:7のイメージセンサーを搭載したことで、映像をあとから切り抜いてフレームアウトのリスクを下げられるようになりました。
けれどもこれってあとから編集が必要なんで、そんな手間のかかることを普通に楽しみたい人はしない。
そもそもGoProって元々が超広角なんで、適当に撮影していても大体はフレームに収まってます。
どうしても外せない撮影をするなら8:7の恩恵はあるけれど、普通にGoProを楽しむなら別に使わない機能です。
10は熱暴走しにくい(9はより安定)
GoPro11の弱点は熱暴走をすること。
いろいろとネットの情報を集めてみたけれど、
- 5.3K~4Kなら20分
- FHDでも1時間
で熱暴走するみたい。
つまり長時間撮影には向かないってことだけれど、発熱すればそれ以外の動作も遅くなるから、やっぱり使い勝手は悪そうではあります。
10でも4Kなら30分ぐらいで熱暴走するから完璧ではないんだけれど、11よりは全然マシ。
どうもGP2プロセッサーが発熱するみたいで、GP2プロセッサーを積んだHERO10以降の熱暴走が深刻みたい。
旧型のGP1プロセッサーを搭載したGoPro9なら熱暴走とは無縁。
それに従来のGoProより動作も安定しているから、熱暴走が心配ならHERO9を買うのもあり。
手振れ補正や画質なんかも及第点なんで、安くなっている今がおススメです。
HyperViewが欲しいなら11(熱暴走覚悟)
HERO10やHERO9でもGoProは楽しめるし、なんならHERO12の機能はほとんど使わない機能なんだけれど、HyperViewだけはセンサーを一新した10以降のGoProしか無理。
それまでのGoProにもSuperViewっていう4:3のイメージセンサーを16:9に無理やり押し込む機能が入っていて、より広い画角の撮影が可能になってます。
HyperViewは8:7のイメージセンサーを16:9に押し込む機能だから、SuperViewよりも上下に広い視野を撮影することが可能。
確かに型落ちのGoPro9を使っていると、上下の画角に不満が出ることがたまにあるから、HyperViewは魅力ではある。
どうしてもHyperViewが欲しいならHERO11やHERO12しか選択肢はありません。
ただ繰り返しになるけれど、HERO11は熱暴走がひどいし他レビューではHERO12でもあまり改善されてない模様だから、熱暴走と共存する圧倒的覚悟が必要。
型落ち10、何なら9で楽しむのが幸せ
GoPro12が発売されたけれど、進化点はプロの動画クリエイターにはうれしい機能が多く、普通の人には持て余す機能てんこ盛りっていう印象です。
やっぱりGoProは基本的なところはHERO7で実装されていて、HERO9が完成形って感じ。
HERO9は在庫処分モードでラインナップから外れているから、10を使ってGoProを楽しむのがコスパがいいし十分使いこなせるんじゃないかなって思います。
もちろんHERO9の在庫があるなら、そっちの方が安定しているし安いしおすすめではあります。
GoProを買うなら公式オンラインショップが一番安いから、Amazonや楽天で買う前に除いてい見るのがベストです。
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ちなみにマウントはマグネティックスイベルクリップがおすすめ。